シネマプラス(excite支部)蠅の王
2005年 06月 10日
おはようございます。
話題:蠅の王
帰宅が早いのでビデオを借りて来ました。
『蠅の王』って作品を知っていますか?。少年達が漂流した無人島でサバイバルするのですが、まさに子供社会の縮図と、人間が永久にアミニズム(原始宗教)から逃れれない現実を描いています。
アミニズムってのはですね、
施政者が現れます。シャーマンの事です。日本なら卑弥呼を想像して下さい。生き物は集団になると、5に1の割合で、リーダーを選出する習性があります。
天変地異でも疫病でもなんでもいいですから、恐怖をあおるモノが現れます。『リーダーなんとかしてよ』と大勢が言います。科学はまだありません。
それを鎮めるために、
生け贄をつくります。昔の中国の、おそらく『濁』って部族だった思いますが、実際に人間を使ったそうです。象形文字の『祭』とは、手に肉をもって示すと書きます。血の滴る肉を示すのです。日本だって難工事の時に、人柱なんて悪い習慣があったでしょう。ちなみに政治の事をまつりごとって言います。『まつりごと』を変換すると『政』って出る筈です。
その他大勢は民です。我々です。もちろん生け贄にはなりたくねぇ〜って恐怖もあります。だから自分が生け贄から外されて一安心。これで丸くおさまってくれれば、なおオッケー!。集団は恐怖を乗り越えて結束を固めます。
ヒトラーと部下達が超階級社会であるナチスをつくったやり方も、あの某宗教団体が巨大化していったのも理屈は同じです。
物語の中で少年達は本能に従って徒党を組み、他の少年から奪って殺めて、最後は理性に従って孤立した元リーダーが追いつめられたところで、大人達に救い出されます。後から本能のグループに入った2人の少年が、追いつめられた元リーダーを、わざと逃すシーンがあるのが救いです。
人間は悪の中に善を内包した生き物です。悪とはおそらくは本能であり、善とはおそらくは理性だと思います。ニーチェは関係ありません。読んでませんから。ただこの物語の教訓は、善が悪に勝る瞬間が、ほんの少しだけあると云う事です。
人間は神様を設定して、そこに近づきたくて頑張って来ました。が、原始から我々は動物なんですよね。
エッチする時は裸でしょ♡。