『知識』と『知恵』
2008年 03月 02日
話題:『知識』と『知恵』
学校で教わるのは、『知識』だが、社会に出てから学ぶのは、『知恵』だ。
こんな昔話をしよう。
山寺に和尚がいて、ある日、立ち寄った猟師に、
『最近になって菩薩様が見えるようになった。うちの小僧にも見える。あなたにも今夜見せよう』
と寺に泊まらせた。
夜になり光り輝く姿の普賢菩薩、(ふげんぼさつ/慈悲と理知の仏様。女性)が現われた。
すると猟師が、それに向かって弓矢を放った。
和尚は激怒した。
が、猟師は落ち着いて、
『菩薩が誰にでも見えるのはおかしい。きっとバケモノがだまして、あなたと小僧さんを食べようとしているのだ。あなたは仏につかえる身なので、見えても不思議じゃないが、小僧さんや、まして生き物を殺す仕事の私になぞ、見える筈がない』
と言った。
夜が明けて、菩薩の姿があった辺りから血の跡が続き、たどると大きな狸が死んでいた。
和尚はそれなりに学もあっただろうが、山寺にこもっての、『知識』しかなかった。くらべて猟師には山野を歩いて獲物を捕る、『知恵』があった。
危険を感じて生き残る為の、『知恵』が抜群だったのだ。
....、
こう書くと和尚に分が悪いので追記。
時々、『学校では何も教えてはくれない』と言う人がいるでしょう。
でもそれは片寄った言い方でね、学校で教えてくれる、『知識』を活かすのが社会に出てからの、『知恵』なんじゃないかな。
両方を持っているのがベストだね。