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知性は?

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誰だコリャ?。V6の岡田か??。違う、十年前のオレだw。

トランスフォーマー?。

おはようございますw。


話題:知性は?


就職を前の職場の同僚に知らせたら、

『〇〇〇さんの行動力、体力、社交性なら上手くいきますよ!』

って励ましのメールを貰ったんだ。

ありがたい。

ん?。

....、

知性は無いの??。


















orz....、

そうだよな。でも、頑張って下さいウチボリさん!!。
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by end_of_eternity | 2008-06-28 19:43 | Comments(2)

皆さんへ....、

心配してくださった皆さんへ、

なんとかきちんとした会社に採用されました。

重労働、残業、休出有りの会社ですが、オレは忙しい方が好きなので、頑張ってみます。

応援してくれた人達、ありがとうm(_ _)m。

これからも宜しくお願いします。
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by end_of_eternity | 2008-06-19 23:56 | Comments(6)

秋葉原通り魔事件と派遣社員/続き....、

コメントとかTBもらった人と語ると、

『派遣は3年雇ったら正規雇用する義務がある』

と実際に思ってる人がいた。

答えはNOだな。『あってなきがごとし』。法律には抜け道がある。2年11ヶ月で一旦切られるんだ。仕方なく更新して続ける人がほとんど。ある地方都市の光学レンズ工場、(超大手)なんか、従業員何千人っているのに、新卒者を4人しか入れなかった事があるんだぜ。これは内部の人に聞いた話。

企業がボランティアする訳無い。『商人骨までしゃぶる』ってね。

派遣なんて基本は使い捨てだよ。

おはようございます。


話題:秋葉原通り魔事件と派遣社員/続き....、


でもね、派遣会社だって、使いようなんだって話しもしたい。

オレは音楽が学びたかったし、それで身を立てたかった。

昼間は生活費を稼いで夜は学校。一年間だけ。その後は作品を作りたかったから、すぐ辞めれる派遣の方が良かったんだ。工場とか佐川は金がいる時に、(新しい楽器、機材が欲しい)短期でお金が稼げる。

仕事は単調でも、嫌なヤツがいても、稼いだらサヨナラだからね。

休日出勤は時給もいい。最高で時給1900円ってのがあった。

夜は管理者がいないから、一生懸命に仕事を終わらせて、食事休憩に2時間寝たりとか。

でも別れが寂しい。挨拶する時が一番辛い。信頼してくれた上司に、『残ってくれないか?』とか言われたり。他にも男女問わず仲良かった人とか。

余談だけど酒の配達のバイトはエロかった。

『置き屋』に入った事もある。連れ出しオッケーの飲み屋ね。韓国か中国のすっげえカワイイお姉さん達が、2段のソファーに並んで座ってるの。腰までスリットのチャイナドレス。イケナイ世界を見たよw。他にもピン○ロに配達とかあったな。営業始まってて、『ちゅっ♡、ちゅっ♡』って何の音でしょね。歌舞伎町を歩いている女の人達は、『マジで!』って思うくらいキレイだった。安め○みさん似のコとかいたな。

でもね、つっ走れる時代は短いんだよ。

目的が無いならば、一生の仕事を探しなさい。好きな仕事をするのが一番いい。けど、現実的に男の価値は、『稼ぎ』だ。オレは、やりがい=金。

『フリーター漂流』とか、『自動車絶望工場』とかを検索してごらん。

青森の人が、『上、(カミ)に行く』って、一生を出稼ぎで終える場合があるみたいけど、いつまでもやる仕事じゃないんだよ、派遣は。陽気にやってる40代、50代の人だって、帰り際に話すと、『仕事を切られたら、もう死ぬしかない』とか言い出すし。家無し、貯金無し、頼る人無しで派遣になったら、悪循環になる。住むのは知らない土地のアパート。家賃でがんじがらめ。職場では肩身が狭い。

製造業の3割〜5割は派遣社員だし、部署によっては8割が派遣で、正社員が遊んでるなんて話もある。イラン人もブラジル人も減った。派遣を雇うからさ。

働きたいのに非正規雇用しかみつからない人がいる。

10年先の日本はどうなってるの?。
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by end_of_eternity | 2008-06-19 23:50 | Comments(0)

秋葉原通り魔事件と派遣社員

おはようございます。


話題:秋葉原通り魔事件と派遣社員


オレが派遣やアルバイト歴が永かったのは前にも書いた。

だから言わせてもらう。

『月に20万円前後の給料』

『職場を転々として』

『もうこの歳じゃ』

....、

こいつはあまったれだ。

何故ならば、派遣社員は下手な正社員よりも稼げる。

自動車関係の重労働で月20万なんて馬鹿らしくてオレならやらない。仕事を選ばずに交代勤務、夜勤専門で頑張れば、月に35〜40ぐらい稼げる。実際オレがそれぐらい稼いでいた。50万の大台超えも聞いた。

次に、使える、やる気のある人ならば出向先も手放さない。

何回か出向先で、『正社員』の話をもらった。バイトでもね。ただ、音楽やってたから受けなかった。仲間達は何人か正社員登用され、後に家庭を築いた人もいる。一部上場企業だって夢じゃない。確率は低いけど。

次に、年令の事。

犯人は25歳でしょ。40歳近くでリストラされたりとか、原油高で運送業界じゃ食えないとか、事務職じゃ家族5人食べれないからとかの理由で、派遣を頑張ってる人は大勢います。そして、40歳過ぎてても、信用されて協調性のある人ならば、大手優良企業なのに正社員登用の実績はしっかりあります!!。

ついでに言うと、派遣だけじゃ家族が食えなくて、他にバイトもしてる人なんてざらだよ。

....、

最後に、派遣社員、派遣会社、出向先の会社を否定する人が、事件を利用しようとしてるみたい。

確かに出向先によっては、『派遣は人間扱いしない』的な会社もある。

佐○急便でさえ派遣には気を使ってくれてた。けど時々、大馬鹿な社員がいて、(仕事が出来ない癖に威張ってる)そいつらがくだらない事を言うんだ。

会社の体質もあるけどね。キ○ノンとかは超大手だけど噂は酷い。永くやってると、日本国中から人が集まるから、北海道、東北から沖縄まで色々な話が聞ける。

個人の意見としては派遣はいらないと思う。だって、国や企業がしっかりしてれば、正社員とパートですっかりまかなえるじゃん。取り合えずの労働力を急ぎでかき集めれる、『派遣会社』が便利だから存在するんだよ。正社員よりも安く使えて、(もらってる給料以上に正社員は手間が多いんだよ)暇になったら即切り捨てれる、モノ、なんだな。

だって手配師ってヤクザの仕事だもん。浅草辺りでドラム缶に火をたいて、朝一番でトラックで乗り付けて、『お前、それと、お前』とかって日雇い労働のスタイルでしょ。10年くらい前に大坂で路上にドラム缶があったの見たよ。いまだにやってるのか不明だけど。

ただね、やる気がなければ、正社員だって、公務員だって、いつクビ切られるか分からないんだよ、今は。

....、

まとめとして。

犯人は格差社会の犠牲者なんかじゃない。

未熟なんだ、人として。だってさ、そんな理由で他人の命を奪っていい訳がない。

派遣会社については出来るなら関わるな。真っ当な仕事じゃない。一生の仕事、誇りのある仕事、やりがいのある仕事を持てた方が、きっと人生が充実するから。

それに、出向先の、『もうちょっとしたら、社員登用を考えてる』みたいな甘言には気をつけろ。この手の話は、よほど上の人から直接言われてから考えなさい。管理職クラスの人ね。それも、過去に正社員登用をやった実績のある人。オレは経営顧問と副社長から同時に直接言われたよ。

ようは高杉晋作だっけか?。『世の中は気の持ちようだ』って事だよ。

若い連中、特に頑張れ!”!”。
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by end_of_eternity | 2008-06-16 21:22 | Comments(5)

鳳凰招来/後編/小説/蒼龍苦界





  鳳 凰 招 来 後編







 上背の高い女が映画館の前を横切る。
 歌舞伎町にも欧州の女を扱う店は何件かある。ロシア、ベラルーシ、ブルガリアなど、主に東ヨーロッパから稼ぎに来ている女達。
 ヴィオは新宿通りの雑踏の中でも際立った。
 行き交う人々よりも突き出た頭。艶やかなブロンド。サングラスもきまり過ぎて、逆に隠された目がどんな造型なのかを知りたくなる。発散される気品も血統が故。余談だが、ヘップバーンが、『ローマの休日』で王妃を演じきれたのも、貴族の血が流れていたからだと言われている。
 少しずつ歩く速度を上げた。
 先きほどから、
 ー尾行されている....、
 ようだ。
 身を潜めてまだ数日と経っていない。
 だが、動けばどんな痕跡でも嗅ぎ分けて、情報を集めて追いかけてくるのがエージェント。
 コマ劇場の広場から、アメリカンクリスタルの前を通って、裏手、裏手へと、辻を歩く。真っ昼間から出没するヘルスのキャッチと、厚化粧をしたティーンエンジャー達。ヨーロッパ中の悪童が集うフランクフルトの傾城街と同じですえた汚臭が立ちこめる。
 ラブホテルの裏口から入って最上階の部屋に駆け込んだ。
 1泊25000円。この辺りのホテルにしても高い方。
 ベットに腰掛けて風間が少年の相手をしていた。
 話題は、『忠臣蔵』や、『サムライ』である。嫉妬するくらいに懐いている。少年は話をせがんだし、風間も読書家で司馬遼太郎の他、時代小説で得た知識を語って聞かせていた。
 『お帰り。スシ食べに行かないか、明日。築地か、銀座で。それとも蕎麦にするかい。育ち盛りだぜ、この坊やだって』
 『そうですね』
 『決まりだな』
 食べさせているのはコンビニのレトルトばかりだ。
 ヴィオは追跡が迫っているのを伏せた。
 脅えさせるのは酷。
 明くる日、琴乃のBMWで銀座に向かった。セキュリティも考えて個室のある店を選んだ。風間が女を口説くのに使う店。小樽で修行した板前が付っきりで握ってくれる。四海捲きと云うカラフルな膳で目を楽しませたり、本場の握りを堪能させたりと、少年は終止満面の笑みを浮かべていた。
 琴乃は、ぱく、ぱく、とマグロばかりを食べ、和季は冷酒ばかり呑んでいる。
 帰りに上野に立ち寄り、串に刺さったパイナップルを頬張る。5人で適当に歩き回った。駅の近くにある山城屋、(オモチャ屋)に入ったが、日本のキャラクターグッズなど分かる筈も無く、近くの刀剣博物館に足を伸ばして、そこではしゃぐ少年の姿に複雑な心境の風間であった。
 『坊やは、少し変わってるな。普通の子供じゃない』
 ヴィオは咽から素性がでかかった。
 そこで、はじめて、この小男を頼りにしている自分に気付いた。
 病的にこけた頬に薄ら禿げ上がった額。四十絡みの冴えない面貌。身につけているスーツも安っぽいし、腕時計さえしない。身だしなみには無頓着だ。
 なのに、銀座の高級寿司屋に出入りして、多くの手下を巧みに操り、即通訳になれる程の英語を話す。
 『手に入ったの、チャカ。新宿では使わないでくれよ、警察が入るとマズい。オレ達にもね、協定みたいのがあるの。アンタらも守れなくなる』
 ヴィオは静かに頷いた。
 追跡の事を話し掛けたが、琴乃が車をまわしたので、帰路につく。
 不忍通りから白山通りに出て巣鴨方面に向かう。巣鴨駅の交差点の信号にカウンターがついているのを発見して琴乃がはしゃぎ出した。
 『おまえ、この道遠回りじゃないか』
 『いいでしょう』
 助手席のヴィオが苦笑した。その時、和季が、
 『後ろのバンが、ずっと着いて来てます』
 風間はミラーで背後を確認した。
 黒いトヨタのバンが、なるほどぴったりと着いて来ている。
 『スピードあげろ』
 『前見てよ。渋滞してんじゃん』
 不安げな表情の少年。ヴィオが上ずった声で言う。
 『あれは私達の敵です。昨日から着けられてました。私に運転を代わって下さい』
 信号待ちで止まると、リアバンパーにわざとぶつけられた。
 降りたら何をされるか分からない。危険を感じた風間は、ギアをパーキングに入れるよう指事する。
 手を伸ばして後ろから運転席を倒し、次に、和季が腕を伸ばして琴乃の体を抱き寄せるように、膝の上に座らせる。上機嫌の琴乃をよそに、ヴィオが険しい表情で、素早く助手席から運転席に座った。シートベルトで体を固定する。アクセル踏み込み車体を横滑りさせると反対車線に飛び出す。逆走して対向車を避けながら交差点に侵入した。クラクションを鳴らされながらも、BMWは車体にキズ一つなく狭い路地に入り込む。
 背後からバイクが2台近づく。
 『あれもそうか』
 闇雲に疾走すると、いつの間にか東池袋に出ていた。
 ヴィオは迷わず首都高速に乗る。加速出来なければ車はバイクより不利だ。しかし、相手もスズキの1100cc。ポルシェを食うリッターバイク。最高速度は安全装置解除で300キロを超える。
 150キロ以上出しているのに、更に前輪を浮かせ加速して近づいてくる。
 琴乃は遠に気を失っていた。少年は真逆で目を見開き、ヴィオや風間の動きに目を見張る。それと、表情を変えずに成りゆきを見守る和季。 
 頭上にはヘリコプターが飛んでいた。
 『ダメです。彼らは正規の軍隊です。隠れ家もばれているでしょう。私達を何処かに連れて行くつもりです。なす術はありません』
 和季はひじ掛けを倒してトランクからキューケースを取り出す。
 偶然、琴乃が去年の冬から入れっぱなしのタイヤチェーンを発見する。
 風間がニヤりと笑った。
 BMWが減速する。左右のウィンドウを開いて、窓からは漁師の網よろしくチェーンが投げ出され、2人のバイク乗りは派手な火花を散らしながら後方に消えた。
 一段落だが、ヴィオの言う通り正規の軍隊ならば、確かに、
 ーなす術はない....、
 だろう。
 政治の方面でも圧力がかかっている。東京の空を非公認でヘリコプターが飛べる筈がない。
 敵は待つように上空に待機していた。
 風間が、
 ーつき合ってやれ....、
 と言う。酔狂な男だ。何の計算も無く、相手の手にのってやれと言う。
 『虎穴に入らずんば虎子を得ず』
 独白した。捨て鉢なヤクザ者だ。喧嘩好きの江戸っ子でもある。頭に血が昇ってインテリの側面は影を潜めていた。
 ヴィオは眉間にシワをよせる。相手が誰であるか、薄々感ずいている。
 手の込んだ作戦を国外で実行出来る人物。
 KGBの生き残り。名は、イワン・リャードロウ養成機関最高責任者。かつての上官であり、彼女が最も尊敬した人物。BMWは誘導され芝浦の倉庫街の一角で止まった。ヘリコプターが粉塵をまき散らして着陸する。降りたのは軍服の、2メートル近い巨躯の初老の男。
 『久しぶりだな。今日は迎えに来た。しかし、キミが、マカーキとなれ合うとは、知らなかったよ』
 マカーキは、『猿』の意味。
 『自由経済を目指す新体制で、王政は無意味だ。祖国の為にも』
 『幼い子供ですよ』
 『10歳を過ぎれば立派な男子だ。いずれ、禍根となる』
 『私が阻止します』
 『キミとは闘いたくないな、ヴィオ。それに、私には勝てんぞ』
 『あなたは、養成所で私にこう言いました。決意した人間の行動は確率を飛び越える、と』
 イワンが顎に手をやった。瞬間、風間が、ヴィオに飛びついた。勘働きだった。アスファルトを砕く渇いた炸裂音と同時に、左脹ら脛に激痛を感じた。灼けたライフル弾が貫通したのだ。風間は呻きながら足をおさえてのたうち回る。肉を削がれた。激痛である。倉庫の窓からスナイパーは渋面で風間を睨みつけ次弾を装填する。ライフルの存在は驚異。なにしろ常に狙われている緊張感がある。
 スコープを覗くと驚愕した。
 若い男が、和季が、立ちはだかっている。どうするつもりなのか。
 再びヴィオ目掛けて引き金を弾く。
 弾丸の道を見極めていた。
 『鋭っ!』
 金属音が響く。
 高速で飛来する弾丸を弾いた。和季は、足下にあった散水栓、(埋め込み型の水道)の鋳物の蓋を外し、殺気から弾道を感じ取ると見事に受けた。
 唖然とした。
 弾丸を狙い受けた話など古今東西聞いた事がない。
 隙をついてヴィオは負傷した風間をBMWの影にかくまう。
 上着の内からダガ−と短銃を取り出した。弾は2発しか込めれないデリンジャー。
 巣鴨でまいたバンが到着する。
 黒服の男が3人降りた。いずれも特種訓練を受けた兵隊。
 和季はわき目もふらずに巨躯の男に近づく。感じ取った。強敵である。
 猛者だ。
 男、イワン・リャードロウ大佐は不敵に笑うと、軍服のベルトからダガーを抜いた。体格にあわせて幅も広く身も厚い。まるで山刀。
 キューケースから正宗を取り出して正眼に構える。
 和季は胸がときめいた。
 思い出していた。子供の頃、剣術界の至宝と呼ばれた大西某を、父が四国から招いて稽古をつけてくれた事がある。氏は禁じられた真剣での鍛練を繰り返し、体中に命取りになりかねない傷をつくりながら、剣の境地を目指していたのだ。
 対峙したイワンの身体が何倍にも見える。
 氏と同じだ。格取りの違い。決定的なのは、和季には、『人を殺した経験が無い』事。
 足が震えた。
 恐怖ではない。
 強敵と合いまみえる喜びの武者震い。
 一方背後では、ヴィオが3人を相手に華麗な、舞踏にも似た格闘術を披露していた。左手の銃で威嚇しながら、右手のダガ−で襲い掛かる。
 相手が近づくと身体を押し付け、日本の合気道にも似ていて、マーシャルアーツやシステマの原形の一つでもあるのだが、動きを封じてしまうのである。そして、柔軟なヴィオならではしなやかさで、身体をかがめると、ありえない角度から蹴りが入る。
 が、しかし、女の非力さかな決定打にはならず、訓練ならば採点の対象となり終了されるのだが、実戦では敵は退かず逆にしゃにむに挑んで来る。
 3対1。持久戦ならば負けるのは必至。
 幸いなのは、入り乱れて戦えば、スナイパーの狙撃を封じれる事。
 和季は靴を脱ぎ捨てると腰を落とし、弱法師、(よろぼし)のかまえで、倉庫の窓からイワンの巨躯の死角に入るように擦り足で動く。視線は互いの目を見ているが、意識するのはつま先だ。ボクサーはフットワークの中に初期動作を隠す。剣道の袴は、つま先の動きから相手に、初期動作を見抜かれないように。
 達人同士の戦闘は常に、『読み』である。
 互いに動けない。
 睨み合い。
 仕掛けたのはイワンの方。ダガーで斬り付けるふりをしながら、空いた左手で正宗を掴んだ。特殊グローブは刃物をつかみ取る。和季は躊躇わずに正宗から手を放す。ダガーが深々と肩を斬り付けた。同時に、抜き手、(目潰し)でイワンの目を狙う。
 禁じ手だ。
 が、実戦である。
 相打ちか。間一髪。抜き手はイワンの眉間に引っ掻き傷を作る。
 一方でダガーは和季の肉を抉って骨に達した。つもりだったが、破けた服の隙間からは、鈍く光る銀色の鎖かたびらが覗かせる。兵法である。卑怯も何も無い。落ちた正宗を拾うと下段真横に薙ぎ払う。足を切断するつもりが、バックステップでイワンがこれを回避する。
 再び弱法師のかまえから正眼に敵を見つめる。
 経験の差は問題無かった。
 実力は拮抗している。そして、和季は感情の起伏に乏しい。
 精密な機械の様に育てられた。否、作られた。父親によって、あまりにも歪な人間として、世に生み出されたのである。
 存在自体が、『凶器』。
 イワンは若者の力を悟ると捨て身に出た。余裕は無い。身体を盾にして巨躯に見合わない瞬発力で和季に組み付く。日本刀の間合いを無力化する為だ。
 手刀が頸動脈を狙う。
 が、永い歴史の中で剣術が、間合いに入られた場合を想定しなかっただろうか。
 和季は正宗を手の内で回転させると逆手に持ち、柄の先端でイワンの、のど仏を、一息に押し潰した。
 勝負は決まった。
 不敵な笑みを浮かべながら巨躯が崩れる。
 視線を倉庫に向ける。
 一部始終を見守っていたスナイパーがスコープを覗くと、一直線に、獲物を倒した後の猛獣さながらの目が、こちらを捕らえた。心臓が止まりそうになった。殺気を飛ばしたのだ。歴戦の兵にトリガーを弾かせなかったのは魔物の眼。冷えた湖面のように澄みきっている。
 悪魔に映った。
 己の敗北を知るとライフルを置いて胸の十字架を握りしめる。
 次に、和季は、イワンのダガーを拾うと、振り向きざまに投げ付けた。黒服の男の尻に突き刺さり、怯んだ所を間髪入れず、ヴィオの短銃が向けられた。
 銃声が鳴る。
 風間だ。トカレフを空に放った。少年が車から降りて両手の平をさらして歩く。投降のポーズ。父親は亡命者から王族に返り咲いたが、彼は生まれながらの正当な王位後継者。
 屈辱だろう。
 が、面持ちは涼しげで、一歩、一歩、しっかりと進む。
 ヴィオの近くまで寄ると母国語で、『もういい』と言った。
 子供とは思えない坦々とした口調で続ける。
 『自分はもう逃げない。国に戻って改革派と話し合ってみようと思う。これ以上誰かが自分の為に血を流すのを見ていられない。たとえ今を切り抜けても追っ手は続く。政治が安定する前に、2人とも生き残れない』
 取り押さえられながら、黒服の後をついてヘリコプターに乗り込む王子を、ヴィオはがく然と見送った。
 少年は自らの意思で混乱する国に戻る。
 最後に、
 『あなたは、私のたった1人の家臣、たった1人の国民でした....』
 と告げた。
 別れの挨拶であった。
 果たして数日後、深夜のニュースでは某国の王子が事故死した報道がなされ、ヴィオが姿を消した。


 『はぁ〜っ....』
 風間が深くため息をつく。あれから1ヶ月。窓の外を眺めた。この空の下に、想いの女はいるのだが、行方は東ヨーロッパの何処とも知れず。
 『鬱陶しいわね。オジさん』
 返答は無い。深刻みたいだ。
 琴乃は和季の方を見て両手を拡げてお手上げの格好をする。
 後のニュースで少年の素性と最期を知った。策略だ。それがまた風間を苦しめていた。あの時、もしも自分が、少年の提言を退けて、和季達が事を済ませるのを待っていさえすれば、あるいは、と。加えて若々しさは、繰り返し聞かせた、『忠臣蔵』や、『サムライ』のナルシズムに憑かれていたのだろう。
 風間と少年の車中のやりとりは細かく書かない。
 が、纏めると、『もう自分は、他人の都合に振り回されるのうんざりだ』だそうだ。一端の、『男』に成りつつあった背中を、風間は押してみたくなった。
 琴乃がテレビのチャンネルを変える。
 某国の改革派の指導者達が次々暗殺されたニュースが流れた。
 ドアをノックする音。向かいのラブホテルのフロント係が姿を見せる。中年女に、『ちょっと』と声を掛けられて風間が呼ばれた。
 エレベーターに乗り込んで最上階の部屋に通される。
 中には豊かなブロンドのヴィオ・ウェゲナーがいた。陰りをおびた目が風間を見つめる。風間は最初だらしなく顔を弛ませるが、少年の事が気にかかって、すぐに神妙になった。
 2人きりだ。
 風間は言葉につまった。
 すると、ヴィオが背中を向け、おもむろに上着を脱いだ。
 欧州人の透き通る白磁の背には、炎の中から舞い上がる鳳凰が描かれている。
 『そりゃ、いったい』
 『日本を去る前、掘り師に頼みました。鳳凰は、私の国では、近衛隊のシンボルマークです』
 近衛、(このえ)は、王室縁者の中から抜擢された盾の部隊である。
 正面に向き直る。三十路近い成熟した裸を惜し気も無く見せる。風間が息を飲む。ウエストは細くくびれてしなやかだし、張りのはる乳房はみごとにつり上がっていた。
 肢体は鳳凰の刺青と相まって神々しかった。
 ヴィオは語った。
 『あの方は最後に、私を、たった1人の家臣、たった1人の国民と、言いました。私は生きなければなりません。私が生きている限り、あの方の国は存続するのですから。ですが私は、怒りにまかせて、国元に戻って、多くの人を殺しました。汚れた女です。行く場所がありません。ここに置いてくれますか?』
 ニュースの事だ。
 風間は一息つくと、上着を脱いで、そっと肩にかけてやった。背伸びしながら。
 ベットに座らせ肩を抱き寄せる。
 『ずっと、いなよ』
 華奢な肩を震わせて、顔を隠して泣き崩れた。緊張の糸がほぐれたように。
 内乱はまだ続くが、その国はもはやヴィオの国ではない。
 諍いは瓦礫と灰しか生まない。
 ニュースでは崩れた家屋に散乱する日用品と路頭に迷う人々が映されていた。
 事務所の前の路地では、和季を探しに来て、風人車にとう留した南太郎が掃き掃除をしている。
 表に出た琴乃が煙草に火をつける。立ち上る煙り。指先で火を消す。
 去った。
 落ちた煙草の灰を太郎が掃き清める。
 ー灰....、
 鳳凰は炎で身を焼いて灰の中から生まれ変わると云う。
 そして女は男を変える度に生まれ変わる。風間とヴィオは互いに異国の地で、違った価値観で育ったが、この街でならば違和感の無い好い、『つがい』として生きて行くだろう。
 もうすぐ夜の帳が降りて、街の汚さも、人の汚れも、すべてを覆い隠してくれる。
 流れ者多きが故に歪な者達が居着ける街。
 不夜城に人が集ってゆく。
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by end_of_eternity | 2008-06-15 03:07 | Comments(0)

鳳凰招来/前編/小説/蒼龍苦界

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  鳳 凰 招 来 前編







 白いものが混じった髪をポマード撫で付けた。
 不況の波も一段落し、都心の再開発ラッシュでセメントの受注も増えた。先祖伝来の財を切り崩す事なく済んだのも、バブルに浮かれる事なく、手堅い商売を続けたお陰だ。
 男は、林睦夫は、ラルフローレンのネクタイを締めると、採掘場にある事務所に向かう。
 もう50歳になる。
 地元の老人達が今だ亡くなった父親を、『お殿さま』と呼び、加えて今だ彼を、『若さま』と呼ぶ以外は、順風満帆だ。
 山と山の間の、忘れ去られた昭和の景色の中を、トヨタの大衆車が進む。
 しかし、気掛かりもあった。
 音信不通の甥っ子。
 駐車場に車を止めドアを開けるなり、
 『しゃ、社長』
 傾いた眼鏡をかけ直しながら事務長の、南太郎、(みなみたろう)が出迎える。苦笑いした。薄汚れた黒い腕サックを見るのは、若い頃からハイカラで通した睦夫にとって堪え難い。
 『昨日の事件です。新宿で輸送中の虎が逃げ出して、人を大勢襲ったそうです』
 既に解決したと聞いた。
 が、事務所に入ってテレビ画面を見るなり、我が眼を疑ったのである。
 見出しは、
 『新宿にサムライ?』
 であった。
 夜の帳が降りる頃、上空からの撮影のようだ。虎と若い男が向かい合っている。そして、現代のデジタル処理の賜物で、男の顔がくっきりアップになった。
 和季であった。
 『なんだこれは』
 大声を出すのは睦夫にとって珍しい。
 『太郎、なんだこれは』
 『知りませんよ。すっかり変わってますけど、和季さんです』
 映像は切り替わり、和季が投げた正宗は、見事に虎をしとめる。
 朝のワイドショー。
 ナレーターが神妙な顔で、
 ーハンサムなサムライですね。それにしても刀1本で、7人も殺した虎を倒すとは驚きです。いったい何処の誰なのか、謎は深まります。続いては人気者....、
 消えた甥っ子が東京で虎と闘っていた。
 林の家は代々男子を剣術使いとして鍛える習慣があり、兄も、父親も、祖父も、相当な手だれであった。これは始祖の林半助が、この土地に落ち延びてから400年間、ずっと続いたのだろう。
 が、今どき披露するような技ではない。
 都会の暮らしに憧れた睦夫は田舎を嫌い、東京の大学へ出て就職した。が、兄があまりにも野方図で、家業を放ったらかしにしたので呼び戻された。帰郷して最初に見たのは、庭で薪雑棒を振る和季の姿。その頃の兄の感心は、息子に剣を仕込む一点に集まっていた。
 ナンセンスだ。
 頭を掻きむしる。
 睦夫は鼓膜が破れんばかりの大声を出した。
 『だから兄貴に言ったんだ。変な修行をさせるのはよせって。見ろ、これを。兄貴の野郎っ』
 『落ち着いて社長。とにかく今すぐ東京に行って、自分が確かめて来ますから』
 『すぐにだ。連れ戻せ』
 

 同じ時刻、百人町のマンションに北一輝、(きたいっき)と男達の姿が見出せる。同じワイドショーを見ていた。グローブで隠している一輝の左手首から先は義手であった。
 切り落とされたのだ。和季に。
 傷は最近になってやっと癒えた。
 が、
 ーゴーストペイン....、
 無い筈の手首を、脳が覚えていて疼く。
 そして苛立つのだ。
 テーブルにあった大理石の灰皿を液晶テレビに投げ付ける。
 『あの野郎、新宿にいやがったのか』
 和季を画面ごと粉々にした。
 切断面はあまりにも鋭利で、病院に拾って持って行った手首を見るなり医者が、『人体への優れた知識のある者がやったようだ』と唸った程で、治りも早かったそうだ。
 しかし、無かったのである。
 散らばる手首を、自らのかどうか確かめて争ったが、一輝のみが見当たらなかった。
 帰りがけの駄賃に和季が表に蹴り飛ばしたのだ。
 野良犬がくわえて行ったか、あるいは車のタイヤに潰されたか。
 そして皆、足を洗った。
 一輝は妾腹であり子供の頃から壮絶な虐待にあった。父の正妻にである。見兼ねた組員が鹿児島の親戚に一時身を案じてかくまった程だ。
 ー脇腹に、アイロンを押し付けられた痕がある....、
 と、書けば伝わるだろう。
 歪な性格に育った。
 2人いる腹違いの兄は、どちらも時代錯誤の風体で神戸の街を歩き、親のシマを引き継いで苦労もせずに暮している。一輝が生きるには、どこもかしこも手垢にまみれた古い土地柄でなくて、常に流動的で入れ代わりの激しい、抗争の絶えない歌舞伎町が最適だった。
 女で稼ぐのは馬鹿げてる。手間がいるし面倒だ。
 手っ取り早くどうすれば良いか。クスリだ。買い付けは明かせないが、だれ彼かまわずに売り捌いた。
 快楽をもたらすなら何でも商売になる街、歌舞伎町は是非とも頂きたい。
 だが、傾城街、(けいせいがい)とは昔から組合が出来やすく、裏では権力とてっぺん同士でつながっている場合が多い。政治や企業と裏社会は複雑にからみ合っている。吉原が江戸幕府公認だったのは有名な話で、ようは、『金』なのだが、例にもれず歌舞伎町もざっくばらんに見えて、組合があり元締めがいた。
 もっとも、決して表に出る事はなかったが。
 風人車。
 浅草の老舗の組から枝別れした組で、一風変わった名前は、表の商売が人力車を引っ張っていた頃の名残りだそうだ。日本が太平洋戦争に負けて、トタンに商品を並べて売る闇市が、新宿駅前にあった時代の話しである。当時すっかりと負け犬になった国家権力に変わって、しゃばを守りGHQとまっこうからぶつかったのは、古き任侠のみ。ある意味でお上は、『頭が上がらない』一面もある。
 暴対法も表向きだけでパイプは太い。昔からの関係は相変わらずだ。
 歯ぎしりする。
 予想外。
 まず目障りだったのは若頭の風間晋、(かざますすむ)冴えない小男だが頭がまわる。兄弟分の雷島寛、(らいじまかん)は190センチの巨躯で武闘派で鳴らしていた。
 そこに、この平成の世に、日本刀を振り回すヤツまで加わったのだ。
 林和季である。
 残暑の厳しい季節に派手なプリントシャツと、これまた派手なスーツを着てうっすら汗をかき、片手は革製の分厚いグローブをはめている。
 金髪を撫で付けて、
 『誰か、知恵のあるヤツ』
 睨んだ。はみ出し者が集う封建社会。親が飛べと言うなら、子供はどうやれば飛べるかを、本気で考えねばならない。が、誰も答えれない。忌々しい。一番近くにいた男に平手打ちをしながら、『おい、オマエ考えろ、えっ?』などと絡んでも始まらないのだが。
 一輝は天井を見上げた。そして、目線を戻すと同時に頬を吊り上げ、大声で、
 『なんでもいいからヤツを見つけろ』
 怒鳴った。


 やはり同じ時刻。歌舞伎町の人込みを避けながら2人の男が駅方面に歩く。
 和季と風間だ。キューケースを持った若いのと、パリッっとしたスーツの若頭がつるんで歩くと、ある者は会釈して、ある者は道を譲った。
 浄化作戦以後も歌舞伎町が猥雑である事に変わりは無い。
 取締を恐れて逃げたのは大半が中国人だ。
 官が動いた理由は、殺傷事件をおこすような、無秩序な勢力を街から排除しただけ。
 サラリーマンが小遣いでスリルを買える街。怖いものみたさ。金を餌に女を集めて、群がる男達から搾り取る。逆もしかり。非合法のギャンブル。クスリ。
 ある程度の安全があれば良い。
 昔から盛場のもめ事など、
 ーやられた方が損するだけ....、
 なのだ。暗黙の了解である。
 まだお昼前なのに、老女と言っていい歳の女が男を引き込もうとするが、逆に笑われて喧嘩になる始末。
 酷い有り様だ。
 笑いながら罵倒する男と、厚化粧が落ちそうなぐらいに、憤慨する老娼婦。
 オールバックの小柄な男が近づいて、老娼婦を笑った男を蹴り倒す。倒れても蹴る。蹴られた男は訳が分からないまま、はずみでポケットから落ちた携帯電話を、命からがら拾って新宿駅の方へ逃げた。
 風間だ。
 老娼婦をなだめて立ち去る。
 後から和季が続いた。
 『風間ちゃんご無沙汰じゃない。あんたが高校生の頃、筆降ろししたのはアタシなんだからね』
 と、大声で叫ぶ。開いた口が塞がらない。風間は一生の不覚と思いつつ、若い頃に、ちや、ほや、された女はいくつになっても、自分が魅力的だと信じて疑わないのだなと呆れた。
 『あれな、新宿のマリ姉さんってな、昔はいい女だったんだぜ』
 西新宿のホテルに客を迎えに行く。電気街を抜け、高層ビル郡に向かって歩いた。ホテルのラウンジに通されると、調度クロークから荷物を引き取っている女がいた。
 それと、セーラーを着た白人の少年。
 少年は隠れるように寄り添っていた。
 女が和季達に気付いて寄って来る。背が高くて細い。
 きちんとセットされたブロンドを揺らしながら。向き合うと背は和季より少し低いくらい。サングラスを外す。色素の薄い、アーモンド型の目が柔和に和季を見つめた。
 歳は30前ぐらいか。
 『風間さん?』
 風間が女の胸くらいの高さで襟をただしながら、『私が風間です』と言う。口元を弛ませながら。ブロンドで、ヨーロピアンの繊細な顔の造りをした女を前にしては、風人車の若頭も心穏やかではない。
 それに流暢な日本語を喋る。
 表に若い組員が車をまわした。いつものベンツではなくて黒い四駆である。
 ハマ−だ。特注で防弾ガラスに変えてあった。
 先ず今回の件はある政治家からの頼まれ事と記しておく。
 ソビエト連邦が崩壊した後に民族浄化運動が始まり、東ヨーロッパ各地で紛争が起こった。渦中にあって地中海に近い、ある小さな国が王政を復活させて独立を成し遂げた。が、世相の流れは激しいもので独立の功労者達が、今度は民主化を唱えて王族の排斥運動に立上がったのだ。
 内部分裂である。軍の一部がクーデターを起こし、国外で隠遁生活をおくっていた所を無理矢理引っぱりだされた新国王は、得た身分になんのうま味もないまま処刑された。
 内紛は続いている。
 王政が存続するならば少年が正当な継承者で、王子であり逃亡者である。
 魔手を逃れ、大陸から朝鮮半島にわたり、昨日やっと東京に着いたのだ。
 女は世話役を兼ねた護衛であった。
 ヴィオ・ウェゲナーと名乗った。
 日本に住んでいた事があると言う。
 少年に話し掛けるのは止めてくれと言われた。
 車は歌舞伎町の一角にあるラブホテルに入った。事務所の持ち物だ。週末は1泊25000円の部屋に通される。バブル期に造ったのを徹底的に改修した。内装もそこらへんのホテルには負けていない。
 貝殻は砂浜へ、人を隠すなら、人込みの中。
 異国の王子が傾城街のホテルに潜んでいるなど誰も考えないし、ヴィオは目立つが華やかさが逆にカモフラージュになって、歩き回っても外国人ホステスの1人としか思われない。
 向かいは風人車の事務所。
 和季は、歌舞伎町が小さな国であり、要塞になっているのに気付いた。独自のルール、収入源、情報網、外交、実行部隊の存在。そして、複雑に入り組んだ建物の奥に、中枢である各組の事務所が集まっている。
 廓、(くるわ/遊び場)は城の造りを模している。
 もともと吉原遊廓をひらいたのは北条家に仕える武士だったそうだ。
 人間をかくまうのに、これほど適した場所は無い。
 女はクリツィア、(イタリアの高級ブランド)のスーツを脱ぐとクローゼットにかける。少年はテレビをつけて子供向け番組に見入った。映像と音楽だけでも十分に伝わる。
 風間はヴィオにすっかりと魅せられていた。
 趣味が以外である。
 車を買ってやるとかと口説いているのだ。亡国の不遇にあいそうな女性が、自分の行く末や家族の他に、考える余地があるだろうか。それと幼い王子。
 女を、けっきょくは金で買うつもりの男だ。憧憬はあっても、尊敬は薄い。
 もっとも隣にいる若い男など興味すらない。
 丁寧に追い出された。
 ヴィオはベッドの傍らに身を屈めて、テレビに見入る少年に母国の言葉で語りかけた。『あなたは、私が全力でお守りしますから』と。 
 少年は顔色一つ変えずに頷いた。


 ところで、冒頭で和季を探す役目を担った南太郎だが、新宿駅を出る筈が地下街に迷い込み、暫く時間をろうした。そして夕暮れ時。コマ劇場の広場はほろ酔いの人々や、女を求めるキャッチや、着飾った女達でごった返していた。
 人と車の洪水のような靖国通りをわたる。
 田舎者には魔窟である。
 さきほどから何度も風人車の前を往復しているのに。無情だ。和季は中で留守居なのだ。路上に座っていた男が歩みよって来て、『裏スロ、あるよ』と言われても、何の話かさっぱり。
 地元で人探しをする感覚で来たのが間違いだが。
 そのうち大久保の方へ迷い出た太郎は、自分が新宿から離れているのに気付いて、線路沿いを戻り出した。
 髪を染めた東南アジア系の女が合掌して、『ちぃ〜』と言った。日本文化を間違って解釈したのだ。『ちぃ〜』は、『こんにちは』のつもりだろう。
 たちんぼである。
 眼前をひょろっとした男が塞ぐ。退ける。と、また塞ぐ。
 『お兄さん、お遊びいかが?』
 『すみません。人を探しているんです』
 『急がないでいいじゃないですか。ヘルスでしょ』
 『違いますよ』
 まるで異国だ。
 路地裏から若い女が姿を見せた。20代前半。東南アジアの顔だちをしているが、田舎のスナックにいるような仕出し娘とは違い、知的で整った顔をしている。少し厚めの上唇が官能的だ。
 『どう。まだ時間早いから2万円。最後まで』
 女は太郎を値踏みするように見る。
 なめまわす視線。
 プロフェッショナルの手管だ。
 ボウッ、といていると、強引に腕を引かれホテル街へ連れて行かれる。
 誘惑に勝てなかった。田舎の好青年は25歳であり、清清しい童貞であった。金も多めに持たされていたし、若き本能は理性を狂わせ、百人町のラブホテルへ。
 褐色の肌があらわになる。
 服を脱がされ、既に育っていた自分自身を、女が愛おしそうに浄めてくれた。
 太郎はなされるがままに何度も果てた。
 シャワーを浴び、女に連れられて表に出ると、さっきの男が待っていた。
 にこ、にこ、しながら、『よかったでしょ』と尋ねる。太郎がお上りさんなのは一見で分かっていたから、ちょっとからかってみたくなったのだ。
 『人捜し。誰を捜してるの?』
 『和季さんです。テレビで騒いでました。虎を、やっつけた人』
 男の面相が変わった。
 まだ数日前の事である。
 待っていてくれと言われた。携帯電話で話す男。女の方は退屈して自ら客を求めて消えて行った。
 数分後、何人かの男が現われて太郎を取り囲んだ。
 全員がチンピラの風体だ。
 凄む。
 『おまえ風人車のもんか』
 『なんとか言え』
 『ボケ、殺されてぇのか』
 現われるなり殺気だっている。
 囲いを押し退けて、馬のたてがみように太い金髪を、ワックスで撫で付けた男が一歩前に出る。
 一輝だ。
 太郎は鼻先に拳を入れられて気絶しかけた。
 『トロ臭いことやってんじゃねぇ。さらえ』
 さすがは狂犬、やる事が荒っぽい。『かっ、和季さん。助けて下さい』。悲鳴をあげたが、通行人は皆睨まれただけで、『かかわりたくない』と、小走りに過ぎて行った。
 チンピラ達の間を一陣の風が吹いた。
 まるで、
 ー瞬きをする間に....、
 である。
 各人の急所を、それぞれ、眉間、咽、みぞおちと、1打で気絶せしめる。
 呆気にとられた隙に一輝は、アメフトのショルダータックルよろしく肩で突き上げられて、一瞬宙に浮いたかと思うとアスファルトに落とされた。
 気が遠のく。
 太郎はいつの間にか大柄な男に担がれていた。
 難を救ってくれたのは加藤重文であった。加藤は走った。それは相当に目立ったが、一目散に風人車の事務所に駆け込む。
 開口一番に、
 『和季、この、ど田舎者は知り合いか』
 加藤も出身は茨城県の海沿いだ。上京者が全員そうであるように訛りには敏感である。キャッチをさぼって線路沿いで煙草を吸っていると、客引きが田舎者を引き込もうとしていた。酷い訛り声のやり取りが聞こえたのだ。おもしろおかしく見物していた。暫くして同じ場所に戻ってみると今度は、そいつが知り合いの名前を連呼しながら、連れ去られようとしているではないか。
 考えもせずに身体が動いた。
 ソファに腰掛けた和季の顔に珍しく変化があった。
 額に皺がよる。
 『南さん』
 偶然にも、南太郎は和季に巡り会った。
 
 
 ヴィオ・ウェゲナ−はバスタブに身を沈めてた。
 泡立てた入浴剤の隙間から、ふくよかで張りのあるバストが顔を覗かせる。この辺りでは一番高い部屋だ。贅を凝らした作りになっている。
 大きい浴そうはくつろげる。
 東京には6年ほど住んでいた。奨学金で留学していたのだ。優秀な若者に、驚くべき発展を遂げた日本の仕組みを学べと、台湾のルックイースト計画に因んだものだった。
 が、彼女の意図は別な場所にあった。
 大昔の騎士の血をひく彼女は、子供の頃に博物館で見た日露戦争の戦利品である日本刀や、その民族性に深く興味を持った。しかし、彼女が魅せられた、『勇猛の民、日本人』などは何処にもおらず。ひたすらに過去の歴史を学ぶだけだった。
 湯舟から腕を伸ばして力を込める。
 細いが鉄線を束ねたような筋肉が浮き上がった。
 彼女がもっとも恐れているのは、『継承者の暗殺』。
 安心は出来ない。旧ソビエトの諜報機関KGBの機能はそのまま残されている。カモフラージュしながら移動したが、アメリカと知略の限りを尽くした手だれにはやがて追い付かれる。
 実際に国境を越えた時は、もう背後にその手が伸びていたのだ。
 時間稼ぎだ。国元で政治が安定すれば少年の身も保証される。
 政治の都合で国を追われた一族の末裔が、政治の都合で長い年月を経て呼び戻され、父親は謀殺された。
 捕まれば無事ではすまないだろう。
 同じなのは、自分もだが....。
 彼女の父親は王政復活と同時に、伝来騎士の家系であるのを誇張しだした。絶えて久しいのに。貧乏な労働者階級なのにだ。
 貧しさ故に拠り所を求めた。
 ソビエト崩壊の頃幼くして彼女は養成所に送り込まれた。女性武官となるべく。血筋故に。熾烈な訓練の日々で、彼女は、めき、めき、と頭角を現わした。まるで眠っていた血がそうさせるように。
 日本留学は奇跡だった。
 戻って見れば国内は不穏な空気が流れて、王室も抜き差しならない状況に面していた。
 バスルームから出ると少年は眠っていた。
 移動中は気を抜く暇が無かったのだ。
 むじゃきな寝顔であった。
 次の日の午後一番にヴィオは事務所を訪れた。ソファには和季でない別の男が座っていたが、構わずに風間にある注文をする。
 昨日とはうって変わった渋面で風間が、
 『それは出来ない。でも、教えるから自分で行っといで。オレは知らんぷりだから』
 住所と地図を紙に書いてくれる。
 少年のお守は和季にやらせるとの事なので、ヴィオはひとまず安心して渋谷駅に向かった。ハチコウ口から道玄坂を上る。この辺りもヤクザの事務所が固まっている場所だ。マンションの入口にアニメ、『シティハンター』のセル画が飾られていたが、ヴィオには意味が解らなかった。隣には、『護身用具専門』の文字。
 インターフォンを押すと中に招き入れられた。
 若い男とあれこれやりとりをして、手の平におさまるようなコンパクトな銃と、スペアの弾倉と実弾を頼んだ。
 風間が教えてくれたのは拳銃の密売人。
 手持ちの現金の大半を使ってホテルに戻ると、和季の他に風間もいて、少年と英語でやりとりしている。
 少年は、きゃっ、きゃっ、と笑っていた。
 風間は取り入る出汁として少年に近づいたのか。
 否、組の知恵袋として活躍する彼だが、金で女を買い続けたツケか、そんな考え方はしない。
 ぶきっちょだ。たま、たま、様子見に来たら、少年が椅子に座ってじっとしていたので、退屈凌ぎになればと話かけた。
 少年は逃避行の途中でヴィオに聞かせれた、『忠臣蔵』の虜になっていた。広く世界で読まれている日本の物語り。あれこれと細かく、とぎれ、とぎれ、英語で尋ね、風間は、(弁護士資格者は最低一つの外国語をマスターしなければならない)ゆっくりと丁寧に答えた。
 最初驚いたが、少年の笑顔を見せられては、止めさせれなかった。
 明日はどうなるか分からない身なのだ。
 クローゼットから荷物を出す。ジェラルミンケースに収まった短剣を取り出した。空港でとめられたが、これは美術品で、自分はオークションのバイヤーだと偽った。
 装飾を外すと肉が厚く幅の広い刀身が現れる。
 ダガ−、『鎧通し』。甲冑の隙間から狙って致命傷を与える。
 彼女がもっとも得意とする武器。
 しかし、恐るべきは短剣と拳銃に、祖国の民族武術が組み合った彼女だけの戦闘術にある。
 訓練では常に不敗を誇った。
 だが、相手は隠密行動のスペシャリストなのだ。王室付きの武官に過ぎない自分が、どこまで持ちこたえれるか分からない。
 それでも迎え撃たねばならない。可能性があるならば、たとえ1パーセントでも。
 ー決意した人間の行動は確率を飛び越える....、
 悲愴感は無い。
 万事は尽くしたのだ。あとは、天佑のみ。
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by end_of_eternity | 2008-06-14 13:21 | Comments(0)

大殺界!

5000円の中古ソファーでくつろぐのは川Tくん。

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昼食にラーメン、夕食にカレーをごちそうになった。

会話の中で、『大殺界』なるものが出て来たので、本屋で調べたら、

オレ、今年が、


大殺界だったw。


仕事運でリストラの事とか書いてあったのでびっくり。占いとか昔は信じなかったけど、厄年に色々とあって、『人知の及ばない力』はあると思っている。

オレの場合は、『霊合星』と云って、2つの星を持つから複雑みたい。

思い出せば星座占いも2つあって、(乙女座と天秤座の日付けは本によって変わるのです)子供の頃に悩んだ。

今年は、『不運』と、それに相反する、『強運』が作用する年なんだって。

さて今後みなさんにどんなご報告が出来るか。

それはこのブログで。

では、では。
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by end_of_eternity | 2008-06-12 21:28 | Comments(0)

children of the light

やっと落ち着きつつあるので、ゆっくりと、以前にいただいたアドレスから、ある人の音源を聴けた。

素晴らしい歌唱力と表現力だ。楽曲も良い。

その人は我々の、『children of the light』を気に入ってくれたみたい。

思い出す。

サビは22歳の時に作り、27歳の時にアレンジを終えた。

この曲は、『やりきるんだ!』の気合で作ったのだが、やりすぎたのかみなさんノーコメントw。

無駄じゃなかったんだ。

音楽をやっていて、ホンと良かったな。オレ。
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by end_of_eternity | 2008-06-12 00:45 | Comments(0)

秋葉原で....、

秋葉原で痛ましい事件が起きました。

亡くなった方々の御冥福をお祈りしますm(_ _)m。

....、

海外メディアにも取り上げられているみたいです。愚行だと思う。でも今、仕事で悩んでいるので、ちょっとだけ気持ちが見える。

夢を追いかけていたオレは、正社員よりもバイトや派遣の経験の方がずっと多い。

『狭いんだから外でゴハン食べれば』

『社員の方が偉いんだ』

そんな、心無い言葉をたくさん投げ付けられた。最初は何を言われてるのか理解出来ないが、家に戻ってから怒りが込み上げる日々。

容疑者も同じような目にあったのだろう。エリートコースから脱落して心身共に疲れたのだろう。夢も無い。希望も無い。そう思ったのだろう。

オレは音楽があった。だから頑張れた。思いきりやったからあきらめもついた。

じゃあ、彼には?。

通り魔になって、田舎の両親に迷惑かけて。だったら、何処かでひっそり暮すか、若くて優秀なのなら別の道を考えるか、もっとあっだろう。

ネットカフェで暮す若者、路上生活の若者、家が無いので派遣社員を続ける若者。

おにぎりが食べたいと書き残して死んだ人もいる。

自殺者は交通事故の3倍以上。

果たして、今の日本は先進国なのかな???。
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by end_of_eternity | 2008-06-10 23:18 | Comments(0)

リラックスな一日

毎日色々やってる。

仕事、バイト、履歴書き、電話受けたり、面接に行ったり、他にもちょっと。

疲れたので久々にネットカフェにいます。

『パタリロ』の最新刊が出ていたので、思わずにんまりとしました。

やっぱおもしろいね!。

それと友人達と連絡をとっている。忙しいH野氏、N村氏、川Tくん。東京のO西くん。他に、練炭を送りつける気になったハイドさん、キミはアホかw。

来週は弟が新車を買ったとかで、また出かける予定。たぶんラーメン食べ。

日々大変。

落ち込んだり、悩んだり、時々リラックスしながら、生きてますよ。

考えるよりは行動しよう。道は開ける。きっとね。
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by end_of_eternity | 2008-06-08 11:41 | Comments(2)