『19歳』/永瀬隼介
2006年 12月 21日
それに絶えない、『イジメ問題』。
大げさに話すと、『ファシズム』とか、『ダーウィンの進化論』までいっちゃうけど。たとえば、子供は虫を殺すよね。子供は先入観が無い。だったれば、もともと人は命をもてあそぶのが好きなんだよ。
今日は人の暗黒面について。
話題:『19歳』/永瀬隼介
最近読んだ本。
驚愕したのは、犯人が意外に、(批判を覚悟で)普通の男だって事だ。
まわりを見てごらん。『こいつ、頭がおかしいじゃないの』と思うくらいに、罪悪感の無い人間って、いないかい?。
殺人に至るのは稀だけど、潜在的な素質なら誰でもある。
文中で、子供の残酷さを引き合いに出してるけど、ようはワガママなんだよ。
人はルールってものを学ぶ。
この本の彼の場合は、そこから逸脱したってよりは、当事者のクセに他人事のように感じれる幼稚さかな。
ある研究家によれば、殺人の理由は、
『メンツを保つ.....』
が第1位らしい。自己顕示欲だと分析していた。
事件を例にとっても、ヤクザに金を要求されたのがきっかけで、老女、女性、女の子、と、不意打ちした家の主人をのぞけば、ターゲットは弱者ばかりだ。
つまり、ヤクザという強者に頭が上がらず、弱者を作り出す事によって、精神の均衡を保とうとした。
文中で花村某さんの小説を例に、暴力とは直接的で究極のコミニュケーションだと言ってるけど、相手を屈服させるのに、『手間が少ない』って事だろう。
彼はこう語った。
『人を殺した後は、セックスの後みたいで、だるいんだ』
そうだろうよ。欲求を満たした後に来るのはいつだって脱力感、(満足感)さ。
現在は彼は死刑を待つ身だし、性格酷薄であるところに、同情の余地は無い。〆として。残念ながら、暴力や征服欲は本能なので、すべての人に共通の理性を求めるのは無理。
よって、極刑の他、救う道はあり得ない。
と、思った。